国内にあるいわゆる時間制遊び場のあかちゃんに関する設備(玩具・遊具)については、各店舗趣向を凝らしたものが多く展開されていて、それぞれカラーが出ているのですが、床に関してはそれほど違いはなく、いわゆるプレイマットが敷かれている店舗が大半です。
しかし、身体機能面で家よりも広い遊び場であかちゃんがすることは、はいはいです。当たり前といえば当たり前ですが。おもちゃで遊ぶ時間よりはいはいしている時間の方が長かったりします。
いわゆる遊び場のベビーの床は、合成皮革のシンセティックレザーに硬質ウレタンを巻き込んで作られているいわゆるプレイマットと呼ばれるものを使用している施設が一般的です。プレイマットの最大の特徴は、50-80cmくらいの高さから落下しても怪我がないよう衝撃を吸収する機能を持っています。その為、大人はもとより、こどもの体重でも踏むと大きく沈む為、いわゆるふんばりが効きにくい状態になります。
さて、あかちゃんがプレイマット上ではいはいする場合、体重が軽いので大人や幼児ほどではないにせよ、手の部分などは当然沈み込みます。滑って頭をぶつけてしまった場合の衝撃吸収性は高いものの、はいはいが進みにくい環境になっているわけです。プレイマットのベビーエリアで話しているママの話で、家のフローリングだとものすごいスピードで進むのに、遊び場だとしないのよね、と言う話がありました。事故などの安全面を配慮すると、どうしてもコルクやフローリングではなく、プレイマットが最善、と言われているのが一般的です。しかし本当にそうでしょうか。
万が一の衝撃を吸収すること、はいはい時にふんばりが利く適度な硬さ、弾力性。そして清潔に清掃が可能なメンテナンス性。これらを考え行き着いたのが、畳でした。
プレイキッズガーデンのベビーエリアには和畳を採用しています。畳には適度な弾力性があり、発育期の子供の足の裏のバランス感覚を養うのに役立ちます。転んでも衝撃が少なく安全。ウレタンマットほど沈み込まず、転んでもフローリングよりはるかに衝撃を吸収します。正にいいとこどり。
更にウレタンマットには無い湿度調節効果があります。畳表のい草のスポンジ部分や畳床のワラにある空気が、夏は暑さを遮断し、冬には外の冷たい空気を遮る断熱材の働きをするのです。
また、それをそのまま保つ保温性も併せ持っています。天然の湿度調節機器と言われる畳に使われている「い草」の中のスポンジ部分が湿気を吸収するためです。畳一枚で約500CC、プレイキッズガーデンには20枚の畳がありますので10リットルの水分を吸収します。更に空気が乾燥してくると自然に放湿し、湿度を調節してくれます。畳表に使われているい草には大気汚染の元凶であり、人間の健康に悪い影響を与える二酸化窒素を吸着し毒性のない一酸化炭素に変える機能もあります。
・・・畳の宣伝みたいになってしまいましたが、何も与えないウレタンマットに比べ、上記のような効果がある畳はまさに遊び場のベビーエリアにうってつけと言えます。
しかしなぜ、あまりどの施設にも導入がされていないのか。
それはデザインの課題と耐久性の問題と思われます。プレイキッズガーデンの畳はオープンから4ヶ月が経過しましたが、まだ大きな傷や擦り切れ、破れはありません。耐久性に関しては、もっと検証の時間が必要とは思いますが、利用される方は多いものの家での生活で利用と異なり、何度も同じ動線を行き来することがないこともあり、利用をベビーに限定する限りは家庭で使用するほど劣化しないのではないかと推察されます。ウレタンマットも数年でウレタンが潰れますのでどちらにしてもメンテナンスが必要になります。期間が同じならメリットの多い畳の方が、ことベビーエリアに関しては良いのではないか、と思われます。
もう一つの問題、デザインに関して。ファッションや文化も含めて軽視されてしまっている「畳」。
日本家屋の象徴的なものの1つである「畳」を使用する家屋が減っています。今の戸建て、マンションやアパートもフローリングが中心となっており、いわゆる洋風文化のあおりで畳の部屋(=和室)が減少したため、畳の部屋で時間を過ごす人が減った影響が大きいのではないかと思います。
しかし、また時代が変わり畳も含め、古いものが新しいと感じられる時代に入りつつある中で、畳を遊び場に利用することは面白いではないかな、と思い導入に踏み切りました。
今のところ安全性、メンテナンス性、そして夏の涼しさなどの畳ならではのメリットなど、お客様の反応を含めて良好です。また折を見て使用状況などレポートできればと思います。
ぜひ、プレイキッズガーデンのベビーエリアに興味がある方は、西船橋までお足を御運びいただければ幸いです。
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